放課後等デイサービスのホームページを、これから作りたい。あるいは、今あるものを作り直したい、改善したい。そう考えて、制作会社への相談を検討している方に向けた記事です。
依頼する前に考えておきたいのは、保護者などの相談者が、相談・見学するかどうかを判断できる材料や役割を、ホームページに持たせられているかどうかです。この役割がはっきりしていると、見積もりの見方も、どこにお金と手間をかけるかも決めやすくなります。
私たちは、制作会社ではない立場から、その判断に役立つ材料をお伝えします。
放課後等デイサービスのホームページは、何のために作るのか
まず、最も大事なポイントからお伝えします。放課後等デイサービスのホームページは、公開してからが始まりです。
私たちも、かつて自社施設でここを見誤りました。目的を決めないまま、無料のテンプレートで名刺代わりのホームページを作った。アクセスも問い合わせもほとんどなく、何を発信するかも決まらないまま、更新が止まりました。原因は、作ること自体が目的になっていたことです。
ホームページの役割は、大きく二つあります。
ひとつは、保護者に知ってもらう役割です。「地域名+放課後等デイサービス」などの検索結果で上位に表示されたり、Googleマップや施設名で調べられたりすることで、ホームページそのものが保護者との接点になります。公開後に手を入れ続けるほど、この役割はよく働きます。
もうひとつは、保護者に選んでもらう役割です。検索から来た保護者も、SNSや他媒体・関係機関(先生や相談支援専門員など)を通じて施設を知った保護者も、ホームページで支援の内容や日々の様子を確かめ、「ここに相談してみよう」と判断してから問い合わせます。
この二つは、片方だけでは問い合わせにつながりません。検索結果で上位に表示されても、コンテンツで判断できなければそこで止まります。コンテンツが整っていても、見つけてもらえなければ保護者に届きません。
この記事では、二つ目の「選んでもらう役割」を中心に、ホームページのあり方をご紹介します。一つ目の「知ってもらう役割」、つまり検索結果やGoogleマップで見つけてもらうための取り組みは、放課後等デイサービスの集客方法のなかで、ほかの集客手段とあわせて整理しています。
保護者が「相談してみよう」と判断できるホームページは、何が違うのか
ホームページの二つ目の役割、選んでもらう役割は、さらに4つの仕事に分かれます。①〜③は保護者が判断するための材料を伝える仕事、④は判断した保護者を問い合わせへ案内する仕事です。
掲載する項目は、どの施設もおおよそ似てきます。差が出るのは、一つひとつの項目をどれだけ具体的に、新しく、見やすく伝えられるかです。
判断の基準はシンプルにできます。各項目について、「これは、保護者が見学を決めるときに見る所か?」と問う。それだけです。
料金・アクセス・対象地域・送迎の範囲といった基本情報も要ります。ただ、料金や対象年齢、利用の条件は制度でほぼ決まっているため、施設ごとの差は出にくい部分です。正確に、分かりやすく載せておけば十分です。差が出るのは送迎の範囲で、文字で書くだけでは「うちから通えるか」が伝わりにくい情報です。Googleマップと連動させ、保護者が場所と範囲をすぐ確かめられるようにしておきます。
① 施設概要などで信頼を伝える
保護者がまず確かめるのは、きちんと運営されている施設かどうかです。紹介する側の先生や相談支援専門員も、同じ目で見ます。信頼を伝えるうえで効くのは、施設の実態が見える情報です。今どんなスタッフがいて、施設はどんな様子か。そして、その情報が新しく保たれているか。まずはここから整えます。
② 支援内容などで相性を伝える(うちの子に合うか)
保護者が確かめたいのは、自分の子を受け入れてもらえるか、です。どんな状態の子が通っているのか、どんな場面でどう関わっているのか。ここが具体的に書かれていると、保護者は自分の子を重ねられます。たとえば、「集団の中にいるのが苦手な子も通っています」「気持ちが崩れたときは、まず静かな場所で落ち着くまで待ちます」といった書き方です。受け入れている子どもの状態と、関わり方の場面。この二つがそろうと、保護者は「うちの子でも大丈夫そうか」を判断できます。
支援の内容には、専門の言葉も出てきます。言葉によって、保護者への届き方は変わります。SSTや個別療育のように、保護者のあいだでも広く知られ、調べるときにも使われる言葉は、そのまま書くことで施設を探す手がかりになります。巧緻性のように、主に支援の現場で使われる言葉は、「指先を思いどおりに動かす力(はさみ、ボタンかけ、ひも通しなど)」のように、ふだんの言葉に置きかえると伝わります。どちらに当たるか迷ったら、Googleトレンドで、その言葉が実際に検索されているかを調べるのも一つの方法です。
くわしい考え方や、それぞれに期待している効果は、提供しているプログラムの紹介としてまとめておくと、紹介する側の相談支援専門員も確かめやすくなります。
③ 過ごし方などで通ったあとの毎日を伝える
まだ見学にも行っていない保護者にとって、ホームページは施設の中の様子を知る手がかりです。1日の流れや、施設での過ごし方・活動の様子が具体的に書かれていると、うちの子が通ったらどんな毎日になるのかを、自分のこととして思い描けます。
④ 問い合わせしやすくする
判断した保護者が、迷わず次の一歩へ進めるようにする仕事です。電話・フォーム・LINEなど、施設が用意している方法に、どのページからでもすぐたどり着けること。スマホでもボタンが押しやすいこと。
フォームを作るときに意識したいのは、ホームページを見た人のうち、どれだけが問い合わせまで進むか(コンバージョン率)です。入力する項目が増えるほど、途中でやめる人は増えやすくなります。一方で、最初にくわしく聞いておきたい事情がある施設もあります。項目の数は、問い合わせの数を増やしたいのか、事前に状況を知っておきたいのか、施設の考え方に合わせて決めます。
コンバージョン・コンバージョン率とは
コンバージョンは、ホームページを通じて達成したい行動のことです。放課後等デイサービスなら、保護者からの問い合わせや見学予約がこれにあたります。コンバージョン率は、ホームページを訪れた人のうち、その行動まで進んだ人の割合です。たとえば100人が訪れて2人が問い合わせたなら、コンバージョン率は2%です。
4つの仕事を支える土台 見やすさ・表示の速さ
見やすさや表示の速さは、4つの仕事を支える土台です。開いてすぐに読めて、スマホでも見やすいページなら、保護者は中身まで読み進めやすくなります。
スマホでの見え方や表示の速さは、検索結果のランキングシステムにも影響してきます。一つ目の「知ってもらう役割」にも関わる部分です。
コンテンツは、見つけてもらうきっかけにもなる
ここまでの4つの仕事で整えたコンテンツは、もう一つの役目も持っています。具体的に書かれた支援の内容や1日の流れ、活動の様子は、保護者が地域名や支援の名前で調べたときに、施設を見つけてもらうきっかけにもなります。
そのため制作の段階では、あとからページを足していける形にしておくことが大切です。調べる人によって、検索ワードは違うからです。「地域名+放課後等デイサービス」で探す人もいれば、「SST」など支援の名前で調べる人もいます。働きたい人が「求人」で調べることもあります。検索結果には、その言葉に合ったページが表示されやすくなります。目的ごとにページが分かれていれば、違う検索ワードで調べた人それぞれに、それぞれのページが入口になります。
- 支援の内容を、困りごとや場面ごとにページを分けて書ける
- 活動の様子やお知らせを、自分たちで追加できる
- よくある質問を、実際の問い合わせに合わせて増やせる
保護者がどんな背景で、どんな言葉で調べているかを整理し、どのページで何を伝えるかを決める。公開してからも、検索のデータを見ながら見直していく。こうした進め方は、放課後等デイサービスのSEO対策のページで紹介しています。
自作・外注、どちらがいい? 費用の目安と選び方
用意の仕方は、大きく4つ
- 自分で作る:Wix・ペライチ・WordPressなどを使う。時間と手間はかかるが、公開後も自分で直せる。
- 個人に発注する(ランサーズ・ココナラなど):フリーランスに頼む。制作会社より費用を抑えやすい。
- 制作会社にフルオーダー:設計から任せられ、自由度が高い。費用は上がりやすい。
- 放デイ・福祉向けに特化したサービス:用意された構成に沿って整えられるものもある。
どの方法でも、依頼先や使うサービスによって、できることや公開後の対応の範囲は変わります。
作る費用は「何にお金を払っているか」で見る
金額だけを比べると、安いか高いかしか見えません。見てほしいのは、その額で何が手に入るかです。目安は次のとおりです。
| 用意の仕方 | 費用の目安 | 主に買っているもの |
|---|---|---|
| 自作 | 実質0円〜(サーバー・ドメイン代で月数百〜千円台) | 自分の時間・手間 |
| 個人に発注(ランサーズ・ココナラ等) | 数万〜十数万円程度 | 制作の代行(依頼先によって対応範囲が異なる) |
| テンプレート/特化型 | 数万円〜10万円前後(月額制のものもある) | 手軽さ・最低限そろった構成 |
| 制作会社(フルオーダー) | 数十万円〜(作り込む範囲によって大きく変わる) | 設計・デザイン・制作の代行 |
見積もりを受け取ったときは、その金額が何に使われているかを確かめます。ホームページの構造(ホームページ内の導線やスマホ対応など)と、コンテンツ(施設や支援の内容など)の、どこにどれだけかかっているか。保護者が判断に使う部分に手厚いかどうかが、比べるときの目安になります。
国や自治体の補助金が使える場合もあります。名称や条件は年度で変わるため、利用するときは最新の募集内容を確認してください。
公開後にかかる費用も込みで考える
ホームページには、作る費用とは別に、公開したあと維持・更新していく費用がかかります。毎月の費用がかかる「保守契約」を結ぶ形もあれば、直したいときにその都度依頼する形もあります。都度依頼は、頼む回数が増えるほど費用がかさむこともあります。
「制作費0円」をうたう業者のプランも、この続ける費用の側で見ると仕組みが分かります。制作費を月額で回収する形で、数年使うと総額は有料の制作と変わらないこともあり、解約するとサイトやデータが手元に残らない契約もあります。初期にお金をかけたくない事業所には、合うこともあるプランです。
比べるときは、初期費用・毎月かかる分・直すたびにかかる分・解約したときにサイトとデータがどうなるか、この全部をならべて見ます。
契約前に確認したいのは「自分でできる範囲」と「追加費用がかかる作業」
公開したあと自分で更新を回せるかは、制作の選び方に直結します。更新のたびに依頼がいる契約だと、費用に加えて「この程度で頼んでいいのか」という気兼ねから、更新が後回しになりがちです。放課後等デイサービスには、自己評価結果など、定期的に更新する情報もあります。更新のしづらさは、情報が古びる原因の一つになりやすいところです。
あわせて確かめておきたいのが、何をすると追加の費用がかかるかです。契約時の金額に含まれる作業と、別料金になる作業の線引きは、依頼先によって違います。しかも運営を続けるうちに、最初は想定していなかった作業が出てきます。たとえば集客を学び始めて、アクセス解析のためのタグ(計測用のコード)をサイトに設置したくなったとき。自己評価結果のPDFを自分で載せようとして、そのための設定を頼むことになったとき。こうした作業が、契約後に別料金になることがあります。
そこで、契約前に次を確認しておくと安心です。
全部を自分でやる必要はありません。自分でやること、頼むこと、頼んだときの費用。この線引きを契約前に決めておけば十分です。
放デイのホームページ制作で、優先すること・後回しにすること
制作で手間や予算の配分に迷ったときは、次のように考えます。
構造的に望ましい条件(制作の時点で決めておくこと)
- 保護者を問い合わせ・見学予約へ案内する、ホームページ内の導線
- スマホでの見やすさと、表示の速さ
- あとからページや記事を足せる作り
コンテンツとして育てていくもの
- 施設概要・スタッフ紹介
- 支援内容の詳細
- 1日の流れ
- アクセスと送迎の範囲
構造は、公開後に変えようとすると手間も費用もかかるため、最初に決めておきます。コンテンツは、公開してから少しずつ改善していきます。
ここまでができたら、事業の規模や段階に合わせて手を広げていきます。たとえば複数の施設を展開し、採用にもホームページを使うなら、理念や沿革、代表の考えを伝えるページが次の候補になります。
ホームページを、保護者が判断するための場所として考えると、必要な情報や見せ方、ホームページ内の導線の優先順位は自然と決まります。大切なものほどお金がかかる、とは限りません。保護者が何を知りたいのか、どこで迷うのかをよく見て、親切に設計する。保護者は判断しやすくなり、施設は問い合わせにつながる。親切なホームページは、保護者と施設の両方にとってうれしい結果を生みます。
制作会社ではない立場から、自作か外注か、見積もりの見方、どこから手をつけるかなど、ホームページを作る前・作り直す前の判断をご相談いただけます。
















